2014年 06月 08日
2014年 02月 20日
2014年 02月 20日
2014年 02月 18日
実は研究の助成金を獲得したので、それの調査のために来ているのです。 この研究、「建築における出版の意義、可能性の研究」をテーマに、海外の建築理論・批評誌を調査するという内容で、当初は世界中色々な地域をまわる予定だったのですが、あまりお金を貰えなかったので今回は寒波の影響で航空券が底値をついているニューヨークに絞って調査をすることになった訳です。20年ぶりの大寒波とだけあって航空券、ホテルともに普通ではあり得ないくらい安くはなっていたのですが、以外に寒くはなくホッとしています。 一週間かけてニューヨークを拠点に出版をしている大小いくつかの建築理論・批評誌の編集者と、教育機関の学部長にアポをとってインタビューをおこなう予定です。プリンストンにも戻って、自分が卒業して直後にDeanに着任したAlejandro Zaera Poloにもインタビューしてきます。 今回のリサーチにはきっかけがあります。現在東大の建築から建築理論・批評をテーマとした季刊誌を出そうという計画が進行中で、これは元を辿れば昨年自分がまだNYの事務所にいたときにジェシーが小渕さんと打合せで「日本には以前は建築文化とかSDのような雑誌があったのになくなってしまって、それをなんとかできないだろうか」と言っていたのが事の始まりなのですが、実際に出版を始めるにあたってどのような方向性でやるのかを見極めるためにも他の事例を調査しようということになったのです。 広義には「建築とメディアの関係性の研究」といえると思うのですが、これは偶然にも自分が博士に入る時になかばでっち上げたテーマと字面が一致するのです。当時は「メディア」を建築に投影された映像として、それがどのように建築の形態への影響を与えるのかということを念頭に「建築とメディアの関係性」というキーワードを使っていて、今回の意味とはズレているのですが、何かうまく両者を接続することは出来ないかと考えています。このテーマについて、また偶然にもプリンストンのBeatriz Colominaが「マスメディアと近代建築」や「Clip Stamp Fold」などで取り扱っていたりと、不思議に繋がっていたり。 インタビューを英語はおろか、日本語でもやったことがないんで不安でいっぱいではありますが、何事も経験が大事、色々挑戦してきたいと思います。 #
by hirano-eureka
| 2014-02-18 11:17
| 最近の行動
2014年 02月 03日
昨年帰国後ディレクターに就任して一回目のJapanese Junctionが無事終わりました。会場がなかなか決まらずお金もなくハラハラし通しでしたが、会場を二社から提供してもらい、またお金についてもスポンサーから協賛してもらえたのとさらに助成金をもらえたので、会の運営の安定化を第一目標にディレクターに就いた自分にとっては一歩前進させることができたように思います。 今年の一番の特徴としては、コンピュテーショナル・デザインを用いて素材のあり方に焦点をあてた作品の増加が挙げられます。デジタル技術を応用した作品はすでに例年多く見られていましたが、今年はデジタル技術を単なる形態操作に用いるのではなく、木目をスキャンしその画像を処理してロボットアームの加工に反映させたり、カーボンファイバーを編み込むことによって構造体を作る試みなど、素材の特性や環境などの従来デジタルで扱う事が困難であったアナログ的な要素の設計パラメータへの応用を試みた作品が目立ちました。 Japanese Junction 2013-2014講評会 前半)http://youtu.be/up3Nnxh8774 後半)http://youtu.be/TU2cJGuWIgA 過去三回の展覧会の開催で10カ国20校から合計58作品が展示され、それに合わせてJJ展出展者のネットワークも大きく成長しました。この中にはJJ展への参加後様々な活動を始めている人が多くおり、彼らの活動を紹介できるプラットフォームを作れないかと考えたのが今回初めて開催したEmerging Trajectoriesの企画のきっかけでした。 Emerging Trajectoriesは海外での留学を終え、現在国内外で独自の活動を行っている若手建築家の思想を紹介する展覧会です。留学前、留学中、そして現在の作品を展示することで、三つの時代の作品を通して彼らの思想がどのような「軌跡」(Trajectories)を辿って変化したか、そして何が一貫して核としてあり続けているのかを表明するような展覧会となっています。 JJ展は留学中の学生のスタジオでの作品を展示し、現在世界においてどのような建築思想・教育が進行中であるかを考察する展示であり、ある意味「点」の展覧会であるとすると、ETはそれぞれの出展者がどのように自身の思想を変化させてきたかという「線」の展示であるといえます。この「線」の展示によって、JJ展では見せることの出来なかった、留学がもたらす思想への影響や葛藤を知ることができ、日本と世界の建築の関係を考える上でより広い視点の提供が可能になると考えています。 今回の展覧会の出展者も一見特に共通項がない寄せ集めに見えますが、この展覧会、そしてシンポジウムでそれぞれの「軌跡」を探ることによって、それらの軌跡の接近したり交差したりする部分を見出し、全体に通底する一つの大きな流れを炙り出すことが出来るのではないかと考えました。 Emerging Trajectoriesシンポジウム「Tracing Trajectories」 前半)http://youtu.be/Pz2FHcIkJHQ 後半)http://youtu.be/PJXpXOZjRkQ こんな具合にざっと今年の印象を書いてみましたが、今回初めて展覧会のディレクションをしてみて、本当に多くの議論が一個の展覧会から引き出せることにある意味消化不良に陥ってしまいました。出展者としての参加でなく、全体を俯瞰する立場になると本当に。それぞれ個性、思想の違う作品があれだけ集まっている訳ですから当然ではあるのですが。そういった点でも、年に一回展覧会を開催するだけの活動からもう少し幅を拡げて展覧会から引き出された様々な議論を発展させることができたらなと考えています。 #
by hirano-eureka
| 2014-02-03 22:30
| 最近の行動
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平野 利樹
とうとう学生卒業、と思いきや。 2004 - 2009 京都大学建築学科高松伸研究室 2010 - 2012 Princeton University SOA Master of Architecture 2012 - 2013 Reiser + Umemoto 2013 - 東京大学建築学専攻隈研吾研究室 博士課程 Web : toshiki-hirano.com Portfolio : issuu Mail : info@toshiki-hirano.com カテゴリ
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