2010年 04月 03日
ホロコーストメモリアルコンペ
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この間書いていた、ホロコーストメモリアルコンペに出した図面です。

敷地はアメリカ東海岸のニュージャージー州、大西洋を望む砂浜に面していて、Atlantic Broad Walkと呼ばれるウッドデッキに覆われた長大なショッピングストリートの一角にあります。ここにホロコーストのメモリアルを設計せよ、という至ってシンプルなお題のコンペでした。AKICHIATLASの方にページがあるので、詳しくはそちらを参照。

読んでいて「なぜアメリカにユダヤ人のしかもヨーロッパで起こった筈のホロコーストなの?」と思われる方は多いでしょうが、これは恐らく第二次世界大戦中に多くのユダヤ人がアメリカに亡命してアメリカ社会において一つの大きな層を作っていること(俗に謂うシオニストでしょうか)に関係していて、現にアメリカには各地にホロコーストの記念碑や博物館が建っているようです。確かにボストンに行った時も街の中心部にありました。

まぁそれはともかく、このコンペ、お題はシンプルなのですが敷地が非常に厄介でした。先述したように敷地は大西洋に面した砂浜とショッピングストリートに挟まれています。そのショッピングストリートが厄介で、ホロコーストとは全く無縁の、世俗にまみれた雰囲気ぷんぷんで、巨大な地球儀がめり込んだビルがあったり、パラソルが並んでいてその下でわいわいホットドック食べていたりする。公式ページには何枚か周辺の写真が載っていますが、USJのユニバーサルシティーウォークと本当そっくりです。

やはりホロコーストと言う以上、鎮魂というか、沈黙の、静寂に包み込まれるような質の空間は必要だと感じて、そのためには騒がしい通りに対して壁を建てるなりしてその雰囲気を遮断し、ホロコーストにふさわしい静謐な空間を作るという風にすれば非常に簡単ですよね。それが今回の場合は出来ない。セキュリティの関係上、コンペのルールで通りから25%以上空間を遮蔽しない、閉じた空間を作らないという規定があって(つまり死角を作らない)そういった手段を選べない訳です。
おそらくこの課題をどのように解くのかが今回のコンペで一番重要なポイントだったのではないかと思います。


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さて、どうするか。

サイトのフットプリントと同サイズのスラブを3m浮かせることによって、通りの雰囲気から隔絶された場を設け、また大西洋への眺望を確保する(敷地前方には茂みがあってGLから海は見えない)。そのスラブが変形し、GLに接地する。これによって通りの賑やかな雰囲気から、大西洋を望む静謐へと緩やかに移行する空間が形成される。また浮かんだスラブの下は展示や集会など、様々なイベントに対応する。

以上のような至極単純な操作で作られた建築を提案しました。
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このような構成です。通りのウッドデッキをそのまま敷地に延長し、うにょっと持ち上がってスラブを支持しています。あとルーフとフロアの間に強化ガラスを挟む事によってスリットを作りそこから内部に光が差し込むように出来ないかと考えていたのですが、無茶な感じだし今回の提案ではそこまで重要な要素ではなかったので説明は省きました。
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PlanおよびElevation
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通りからのパース。このように全ての空間に通りから視線が抜けるようにしています。
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内観。左が通り側ですね。先述のスリットから光が漏れてきます。
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大西洋を望む、祈りの空間。
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スラブ下のギャラリースペース。デッキが変形して持ち上がった部分にプロジェクタや照明などを組み込めるのではないかと考えています。


さぁ、リベスキンとマイヤー、お願いします。
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by hirano-eureka | 2010-04-03 10:35 | 建築チクチク


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