2011年 03月 01日
2011 Spring Studio Report 01
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ご無沙汰しています。Studio Reportはファイナルレビュー分を残して次のスタジオが始まってしまい完全に更新の機を失ってしまいました。今は現在進行中のスタジオで頭の中がパンク状態なので、セメスターが終わって落ち着いてからまとめて書ければと思います。なんだか尻切れ状態で申し訳ないです…

さて、2月の頭から新しいセメスターが始まったのですが、スタジオはJesse Reiser担当のものを取っています。Jesse Studioは超人気で8人が定員のところに15人も希望したそうですが、何とか無事選ばれました(皆日本に行けるというのが魅力とのこと。まだまだ日本はCoolな、憧れの国のようです)。彼のスタジオはJapan Studioといって2006年まではSANAAが担当していたものを彼が引き継いでいるのですが、メタボリズムの再考を一つの大きなテーマとして、毎年東京を敷地としてプロジェクトを行っています。

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昨年は東京湾のアクアライン海上を敷地として東京計画1960の再考を軸に進められていました。今年は羽田空港の多摩川を隔てた対岸を敷地に、マイクロシティの設計が課題になっています。あと特筆すべき事として、合同スタジオ形式でコロンビア大、東大をはじめ、Pratt Institute、大阪産業大、中国の精華大も同一テーマでスタジオを進めていることがあります。レビューでは全大学のスタジオが一同に会し、さながら天下一武道会の様相を呈する訳です。コロンビアは梅本奈々子が、東大側は最近AAのDRLから東大に移籍してきた小渕祐介が担当しているとのこと(ちなみに彼は数少ないプリンストン建築出身の日本人の一人)。

今回のスタジオの一つのテーマとして都市全体を巨大なカプセルの中に封入するバックミンスターフラーの計画を仮想敵に、外部と内部が曖昧な状態でありながらもAutonomus(自律的)な都市システムの構想が挙げられているのですが、3つのAssignmentがその足がかりとして与えられています。

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一つはKnotting systemの発展。これは結び目理論のダイヤグラムなどをリファレンスとして、紐を結ぶことによって生まれる結び目の中の紐同士の関係性に着目して空間構成のシステムに発展させてゆくというもの。
次に過去のユートピアのリサーチ。これには前回のHani Studioでも取り上げられていたArchigramのWalking City, Living pod, 菊竹清訓のスカイハウスに加えシャルルフーリエのファランステール、果てはディズニーランドがリストに挙げられていて、その中から各自一つを選んで、それぞれのユートピアがどういったヴィジョンを持っているのか、そしてそれを成立させるためにどのような手法を用いているのかを読み解く事が要求されています。僕は一番ゲテモノのディズニーランドを選択しました。
最後にIrreducible unitの設計。これは例えばメタボリズムのカプセルのような、都市における最小単位とはどのようにあるべきかを具体的に詳細まで詰めて設計するというもの。

これら3つのAssignmentを同時並行で進め、最終的にはすべてを統合して都市の構想に結び付けてゆくというのが今回の一つの大きな流れです。

前回のスタジオは一つ一つステップを踏みながら全体像から徐々に細部に詰めてゆくというプロセスでしたが、今回は上を見ても分かるようにいきなりすべてのスケールに手をつけて、それぞれの間を行ったりきたりしながら詰めてゆく真逆の形式で、そのあたりJesseの思想が反映されていて興味深いです。アトラスを読んでも分かるように、彼はトップダウンで一方通行の設計プロセスに真っ向から反対していて、つまりダイアグラムからそのまま建築が立ち上がってゆくようなものはありえないと。様々な地点を行ったりきたりしながら、また様々な思想(パラメータ)を積極的に取り込んでいくことでこそ、包容力のある豊かな建築が可能ではないのかというのが彼の主張(だと僕は勝手に解釈しています)。
京大では高松先生にSimplicityを叩き込まれた自分としては全く異質な思想の元、設計を進めているわけですが、Simplicityを学んだからこそ産み出せる何かがあると信じて、今夜もせっせとスタディ模型を作っています。



あ、そういえば3月12日~18日にスタジオで東京、京都へ行きます。3月14日に東大でMid Reviewをします。あと各大学の指導教授が一同に会する機会に合わせてシンポジウムも開催されるそうです。

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by hirano-eureka | 2011-03-01 16:22 | 建築チクチク


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