2013年 08月 16日
ご無沙汰。
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長らくご無沙汰しています。
四月に東大に入学してからばたばたしているうちに、いつの間にかお盆になってしまっていました。ようやく一息ついているところです。

博士課程というのが何をするものなのか今ひとつ分からずに入ったのですが(そしていまだに分かっていないという...)案外やる事には困らないというか、ともすると雑事が次から次へと降ってくるような具合です。とにかく刺激には事欠かない生活を送っていました。

度々ここにも書いたと思いますが、数少ないプリンストン建築出身の日本人の一人で3年程前に隈さんの声掛けで東大に来て特任准教授をしている小渕先生の下で色々活動をしています。今年から小渕先生が担当している東大の「建築意匠」という講義のアシスタントがその一つでした。講義の構成からレポート課題の内容まで、二人で議論しながら決めてゆくという、アシスタント以上の役割を任せてもらえたので良い経験ができました。「New Paradigm of Architecture」という講義のタイトルで、毎回一つのキーワードをもとに二人の建築家をピックアップして彼らの思想、バックグラウンド、作品について解説し、コンピュテーション建築について論じるというものです。二人の建築家というのは、活躍した時代はデジタル以前、以後といった具合に異なるものの共通する思想、手法を持つ人物で、例えばキーワードは「Processes : Compositional/Biological」で、Peter EisenmanとGreg Lynnを取り上げた回では、WittkowerのPalladio分析からColin Roweへの流れ、そしてその中で見出された9スクエアグリッドを建築の生成に意識的に利用したEisenmanについてミニマリズムとの関係も含め解説しさらにDarcy Thompsonなどを紹介しながらGreg LynnがEisenmanらの手法をデジタルによってどのように発展させたかまでを語ると言った具合です。90分では到底収まる内容ではないですが、まだ初年度なのでそのあたりは今後改訂してゆければなと話しています。講義のブログがあるので、興味のある人は覗いてみて下さい。一番最初の投稿に講義トピックのリストがあります。日本ではあまり取り上げられないような建築家も結構入っています。このように日本では普段触れる事のない建築思想を紹介し、それが歴史の流れをどう受け継いでいるのかを解説する講義というのは恐らく無かったのではないでしょうか(少なくとも京大東大ではありませんでした)。そういった意味でも非常に意義のある講義だなぁと思っています。
講義のアシスタントに加え、小渕先生の大学院留学生向けのゼミも受講していて、そちらは講義と取り上げるトピックは共通しているのですが、毎週テーマに関するエッセーを何本も読んでそれについて発表、議論をするという内容。直接建築に関係するものだけではなくドゥルーズ・ガタリやら、複雑系、生物学の論文もかなりあって面白かったのですが、なかなかハードでした。

ここまで書いてみると、一体自分はどこの研究室に所属しているのかとなってしまいますが、隈研の方の活動にも参加していました。隈研では中国の実施プロジェクトに関わっていて、内容は控えますがクライアントとのミーティングに参加するために杭州・上海に行ったりしていました。中国へ行くのは初めてで、2泊3日の弾丸旅行だったのですが、普通の観光旅行ではできない経験を色々させてもらいました。クライアントとの食事会ではカエルやら臭豆腐、ヘビまで頂いたり。
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しかし話には良く聞く、というかもはや常識になっている中国の建設ラッシュですが、実際に目の当たりにすると改めて衝撃を受けます。杭州の空港から中心街に向かうまでの間に何十本ものタワークレーンがそびえ、全く同じ形をした高層マンションがコピーペーストのごとく増殖してゆく様は異様。さらに富裕層向けの超高級分譲住宅地ではイギリス風の豪邸が建ち並び、内装も贅の限りが尽くされていたり...(巨大な円筒形の水槽が部屋の真ん中に鎮座して、中には金魚が泳いでいたりする)そんな光景を目の当たりにして、なんとも言いようのない違和感を覚えたのでした。殆どの物件は投資目的に建設されているようで、実際に入居しているものはあまり無いそうです。
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杭州ではクライアントが全て行動をアレンジしていたので街へは一歩も足を出さなかったのですが(世界遺産の西湖すら行っていない)、その後新幹線で移動した(本当に日本の新幹線そっくりでした)上海では少し街を回ることができました。新天地、南京東路、外難、豫園を弾丸で見て回っただけなので街の雰囲気が分かったのか怪しいところなので再訪したいところです。15分だけ滞在した豫園では「自然」という概念が文化によって全く異なっているという事を改めて認識したり。

学外の活動としては、去年まで出展者として参加していたJapanese Junction展に、今年からディレクターとして運営に関わるようになりました。まだまだ企画を練っている最中で、しかも色々難航しているのですが、今年も刺激的な展覧会が開催出来るよう頑張っていますので、よろしくお願いします。
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by hirano-eureka | 2013-08-16 23:16 | 最近の行動


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