2007年 01月 19日
図書館
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いやはや今回は本当に辛かったです。
年末年始コンセプトがだいたい決まっているのをいいことに中だるみしてしまい、一週間前になってもプランは完成していない、模型製作方針も決まらない状態。
さらに提出日になってもパースレンダリング終わらない、ロール紙にプラン印刷できなくて数時間前にレイアウト変更と本当にてんてこ舞いで、展示が終わるまで本当に作品として成立するのか不安で仕方ありませんでした。
しかし結果的に満足できる評価をもらえ、自分の中でも美術館と並ぶパワーを持った作品が出来たのではないかなと思っています。

さて今回の課題のテーマは21世紀のパブリックライブラリーでした。敷地は北山通りにある京都府総合資料館。ちょうど磯崎新設計の京都コンサートホールの北隣です。
以下コンセプト文を転載。

-図書館の行方-
ありとあらゆる情報が様々な電子媒体を介して広まっている現代社会において、情報としての本の存在意義は急速に薄れてきている。国会図書館の蔵書電子化や、電子ペーパーの普及がそう遠くはない将来実現されるだろう。
そのとき、今の図書館というビルディングタイプは果たして有効なのだろうか?

ここでは、将来全ての書籍が電子化され、物質としての本が完全にその役割を失い過去の遺物となると仮定する。
その上で現在からそこまでにおける図書館のあり方を考察する。
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この図書館は本のレイヤーと電子メディアのレイヤー、そしてそれ以外の機能を納めたレイヤからなる。
本のレイヤーと電子メディアのレイヤーは情報という一つの頭脳を共有しているが、互いに別の胴体-本という実の肉体、電子データという虚の肉体-を持つシャム双生児である。
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第一のレイヤーはラティス構造と一体化した書棚である。北山通からは本が積層する様子が見ることが出来、図書館の一つのステータス-蔵書数を明確に示している。
アクセシビリティや眺望の良い下層部分や最上階には主に一般向けの書籍が置かれる。
時間が経ち蔵書が増えるにつれて書棚は徐々に埋められ、やがて一つのマッシブな壁として成立する。
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第二のレイヤーは二つのレイヤーの間に建つ厚さ3mの壁である。
壁の内部にはあらゆる設備-水道 電気 情報回線 空調 エレベーター 階段-が張り巡らされ、他のレイヤーと繋がっている。
壁には無数の穴があけられ、そこにギャラリー プール オーディトリアム…といった機能が入る。
他のレイヤーからは蟻の巣の飼育キットの如く穴の中で繰り広げられる様々なアクティビティを“観察”することが出来る。
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第三のレイヤーは実体のない流動的なレイヤーである。ここには電子化されたデータにかりそめの姿を持たせる機能が島のように点在するスラブに入っている。
ファサードは反射率の高いガラスで覆われていてねじりをつけることで西半分にはコンサートホールや道行く人々を映し出し、東半分には空を映し出す。空間をゆがませることにより自己存在を誇示している。
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-分離手術-
時代が進み電子ペーパーが一般的になる頃、人々は紙媒体としての本ではなく、電子書籍のデータディスクを借りに図書館を訪れるようになる。利用者という不特定多数の外科医によって兄弟の分離手術が行われてゆく。
やがて紙媒体が完全に電子媒体に取って代わられたとき、本は形骸化し、本来の役割を失う。
本の死。
ここでは本は北山通りに対するファサードを構成する要素となる。
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-死してのち-
やがてネットワーク上で全てのものが手に入る時代がくる。そのとき人々は現実の図書館に足を運ぶ必要はなくなりネットワーク上に図書館が出来る。
図書館というビルディングタイプに死が訪れる。
最後に中央のレイヤーのみが残される。
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…とこんな感じです。模型は半分の部分模型なんでこれだけだったら全体像が伝わらないと思いますが、高さ26m、長さ140mの長大な壁で、北山通りとコンサートホールの間に建っています。
で、その壁にいくつか穴が開いていて、それぞれの穴からコンサートホール、大文字、植物園の緑、北山通りの交通が見えるようになっています。
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by hirano-eureka | 2007-01-19 11:30 | 建築チクチク


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