2009年 03月 22日
Imminent Domains
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たしか18日でしたか、京都造形大で行われた講演会「Imminent Domains」に行ってきました。
この講演会は東大とプリンストン大による今後3年間にわたる同名の共同プロジェクトの一環として行われたものらしいのですが、そもそも「Imminent Domains」ってなんだ?って感じですよね。いちおう直訳すると「差し迫った領域」、つまり早急に議論されるべき領域、21世紀に入りますます混迷を深めつつある世界においてどのような議論が建築、都市の領域において可能なのか、またなされるべきなのだろうかということでしょうか。

出演者は、磯崎新、隈研吾、竹山聖、團紀彦、阿部仁史、Sanford Kwinter,Jeffrey Kipnis,Stan Allen,Reiser Umemoto,浅田彰と超豪華、多人数でいくら4時間あっても収拾がつかないんじゃないかと思っていたら案の定個々のプロジェクト解説に大半の時間が費やされ、議論は急ぎ足で消化不良に。

今回のシンポジウムではあまり具体的かつ強いテーマが設定されていなかったためか(一応MicroMega ProjectsとThe Future of the Big Projectの二つがあった)それぞれの建築家のプレゼンの内容も一つの共通する軸があるわけでなく各自の興味を一方的に紹介するにとどまってしまい、後半部に入ってさぁ議論しましょうと言っても前のプレゼンが参照されずに話が拡散してしまい結果全体としてイマイチ盛り上がりに欠ける事になってしまったのかな、と。

以下ざっとメモ取ってた範囲でプレゼンの概略を。

スタンアレンは群衆が建築を埋め尽くすグルスキーの写真の紹介を皮切りに建築・都市・インフラ・ランドスケープの境界を曖昧にしてゆく自らのプロジェクトの紹介。

Reiser Umemotoはドバイの都市計画の矛盾、そしてそれが引き起こす都市問題の指摘をし、その中で自分達はどのようにそれに対処しているかを二つのプロジェクトの紹介で説明。彼等の分析は正直言って目新しさは無かったし、プロジェクトもなんか結局ドバイで繰り広げられる奇抜な形態を競うゲームに飲み込まれてしまっているように感じました。

竹山聖は自身のプロジェクト「不連続都市」の紹介。最初はコンセプト文を日本語英語両方で滔々と朗読していたが、浅田彰に急かされてテンションが下がったのか徐々に声のトーンが落ちていったのが印象的でした。曰く「建築とは都市のfragmentである」と。

阿部仁史は接触面というキーワードを元に過去のプロジェクトからつい最近コンペで取ったプロジェクトまでを紹介。身体と建築との接触というミクロな視点から建築とランドスケープとの接触というマクロなものまでシームレスに一つのテーマを持って設計に臨んでいるとのこと。

中でも興味深かったのは磯崎新で、孵化過程を起点にエレクトリックラビリンス、奈良ホール、ヴェネチアビエンナーレ、そして最新のカタールのプロジェクトなどをDVDで紹介。その中に通底する恣意性の問題、つまり磯崎新の言葉でいうところの「切断」についての問題提起は現在でも議論の意義があるテーマ、というか今だからこそ考えなければならないテーマではないかと感じました。
後半の議論でも「建築と都市個別に語る事は意味が無い」「人と人との関係性がどうなるかしか興味が無い」といった趣旨の発言をしていて、そこから最近の思考が伺えて興味深かったです。この発言を聞いてから彼が審査員を務めた仙台メディアテークや横浜大桟橋を見ると、ああなるほどなという感じがします。

と、色々メモを見たり思い出しながら書いていると、シームレス化という言葉がキーワードなのかなという気もしてきました。

プリンストン大のページに告知文が載っていたので転載しておきます。
Imminent Domains
Unfolding over the past 15 years, a paradigm shift has opened up new potentials for architecture and the city. Advances in technology, and more importantly, the cultural energies that inform them have changed the face of architecture. The lecture series, "Imminent Domains" will examine a diverse set of approaches to this expanded field by a renowned group of international architects. Particular emphasis has been given to japanese practices as part of a new initiative for the school of architecture's Japan program. This initiative will be the first of a three-year project exploring new models of architecture and the city in collaboration with Tokyo university.

今後どのように展開していくんでしょうね。

そういえばあんまり議論とは関係が無かったように思いますが、浅田彰がCCTVの火災を世界情勢、建築の潮流の一つの大きな区切りとして述べていました。
錯乱のニューヨークでドリームランド、ルナパークの火災に意味を見いだしていたレムが、今度は自身の設計した建築で同様に他者に意味を見いだされるという構図はなんとも不思議です。
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by hirano-eureka | 2009-03-22 20:43 | 建築チクチク


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