カテゴリ:修士設計( 8 )

2012年 08月 19日
Times Square Re-imagined
e0001534_1342789.jpg
さて、修士設計について。

不思議なもので、英語ではうまく繋がっているように感じられた論理展開が、いざ日本語にしてみると今ひとつだったりすること(逆の日本語から英語の場合も然り)が往々にしてあります。今回は特にそうで、手伝いに来てくれた後輩に日本語で初めてプロジェクトの説明を試みてからずっと、どうやって日本語でも説得力のある説明が出来るのだろうと苦悩してきました。何度か文章、レクチャと日本語で説明をしなければならない機会があって、その度に色々な順序、アプローチでの展開を試してみてようやく日本語でも考えが整理されてきた感があります。

最初には絶対に譲れないと思っていたような前提も、思考を進めてゆくうちに徐々に変質してゆくもので、以前に書いた途中経過とは結果的に色々と変わってしまったので、また最初から説明をしてゆきましょう。

(ちなみにそれぞれの画像は解像度が大きなものをFlickrにアップしました。こちらから見る事ができます)



e0001534_1414768.jpg
資本主義社会において通常建築の価値が主に延べ床面積で決定されるように、近代建築以降スラブは建築を構成する要素の中で最も基本的なものとされ、それを頂点としたヒエラルキーが固定化し、「錯乱のニューヨーク」の中でコールハースが「敷地の単純上方拡大」と述べたように、スラブを任意のn枚積層する操作が構造や外皮などの要素を最小限に抑えつつ延べ床面積を増大させる上で最も効率的であり資本主義原理にかなう”Smart”な建築原理とされてきた。

e0001534_13543665.jpg
しかしグローバル資本主義が最も極端な形で表れ経済原理が強く支配している場であるニューヨークのTimes Squareにおいては、平均的なマンハッタンにおけるオフィススペースの家賃が月あたりのスクエアフィート単価$54であるのに対して、タイムズスクエアにおける屋外広告のリース費用がそれの1.5~3倍の月あたりのスクエアフィート単価$70〜$130と、床と外皮(Envelope)の価値が反転しており、先述したような近代以降の建築原理は無効、”Dumb”であるような状況が生まれている。
e0001534_13562970.jpg
これの最も象徴的な存在として7th Ave.とBroadwayの交わる二つの角地に建つOne Times Squareがある。One Times SquareはNY Times本社ビルとして建設されたものの、そのメインオフィス機能は建設の1904年から10年もしない内に他の場所に移り、現在はビルのファサード全面を覆い尽くすように種々の広告が貼付けられている。
e0001534_13565144.jpg
壁面は埋め尽くされた広告のために当然ながら窓を設ける事が出来ず、テナントは現在地上3フロアのみに店舗が入居し、残り23フロアは全くの空室という状況であるが、先に述べたようにファサードのリース費の方が高いタイムズスクエアにおいては広告スペースのリースによる収入の方が全フロアにテナントが入居するよりも収入が得られるため、中身が全く詰まっていなくともビルとして成立してしまっている。
これに着目し、従来の建築原理への批判としてのタイムズスクエアにおける資本主義の理にかなった新たな建築原理の探求がこのプロジェクトの主題である。
e0001534_14351284.jpg

e0001534_1444421.jpg
建築のボリュームを細分化してゆくことで、延べ床面積ではなく広告用の外皮の表面積を増大させてゆく操作をこのプロジェクトでの基本的なシステムとしている。
e0001534_1452263.jpg
しかし、単純にボリュームを分割して表面積を増やしても、その表面が通行者の目に入らない限り広告として機能しない。つまりパブリックスペースの増大が広告面の増大に比例して必要となってくる。
e0001534_1454934.jpg
このことから細分化した各ボリュームをGLに向って細くする操作によって地表面をパブリックスペースとして開放し、内部の広告面も視認可能となる。
e0001534_14215359.jpg

e0001534_1491762.jpg
建築と広告について語ろうとするとき、ロバートヴェンチューリとデニススコットブラウンを避けて通る事は出来ない。彼らのまさにTimes Squareを敷地にしたインフォメーションセンター設計案は、彼らの”Decorated Shed”(装飾された小屋)の理論に忠実に従っている。つまり、ここでは建築は下部の無粋なボックス(小屋)であり、広告の機能はその上に乗ったリンゴ(もちろんニューヨークのニックネームである”Big Apple”のパロディとして)が担っている。
e0001534_1495192.jpg
ここで、巨大なリンゴの中に建築の機能を押し込んだ場合、それは彼らが近代建築を批判する際に使用した、”Duck”であると呼べる。
e0001534_14103292.jpg
ヴェンチューリとスコットブラウンは、近代建築(Duck)を建築が独裁的に振る舞っているとして批判したが、ここではヴェンチューリらの主張する”Decorated Shed”では、建築が自身以外について無関心に過ぎると批判したい。このプロジェクトは”Duck”と”Decorated Shed”の中間、建築と広告が半自律的な存在として両者が一体となって効果が産み出されるような建築と広告の関係性を追究する。
e0001534_14311454.jpg

e0001534_1426216.jpg

e0001534_14123296.jpg
従来の広告はそれぞれに適切な広告面と視点の距離が設定されていた。そのいわば焦点距離から視点が離れると人は広告の情報を認識出来なくなる。
e0001534_14134753.jpg
このプロジェクトでは外皮は全体がLEDで覆われ、LEDのピクセルの密度(解像度)、そして建築の形態は広告面と視点との距離に応じて決定されている。視点と広告面との距離が遠い建築上部はLEDの解像度は粗く、表示面積は大きい(フラットな形態)が、下部にいくに従って解像度は高くなり、また表示面積は小さく(襞のように凹凸のある形態)なる。
e0001534_14144120.jpg
つまり、単一の表面が無数の焦点を持ち、視点が移動するのに合わせて異なる情報を伝達する。これによって多層的に情報が組み込まれ、展開される広告が可能となる。
e0001534_13484393.jpg
また、建築下層部は何本もの脚に枝分かれ、複数の脚をまたがって広告を展開する事で、従来の平面に貼付けられるだけの在り方に比べ広告は空間により直接的に作用する存在となる。

例えばVictoria’s Secretが全面を使って広告を展開すれば、上部ではブランドを象徴するロゴやイメージが浮遊し通行人の注意を惹く。近づくにつれて徐々に下部の情報、セールやモデルの着用イメージが浮かび上がり、各脚の下層部には商品-ブラやパンティなど-のより詳細な情報が表示される。
e0001534_14323391.jpg



e0001534_1423467.jpg
e0001534_1428189.jpg
それぞれの脚には垂直動線が納められ、中層部には中小規模の機能が、上層部にはシアターなどの大きなプログラム、そしてルーフには屋上庭園が設けられている。
e0001534_13471798.jpg
建築中央部は採光のためのヴォイド空間になっている。商業的、非物質化した情報を発信する外皮とは対照的に内部の表面はモノの存在を発信する。上部の開口から光、雨、雪が入り、直下を走る地下鉄の駅に伸びる幾つかの脚からは、地下鉄の騒音、臭い、蒸気がヴォイド空間に送り込まれる。
e0001534_14412687.jpg
e0001534_14424796.jpg
e0001534_1429717.jpg






最後に、Final reviewのプレゼンテーションを録画してもらったのも載せておきます。喋っているときは必死なので分からなかったのですが、やはりまだまだ発音、スピードが熟れていないですね... なかなかアップロードするのは恥ずかしいものですが、まぁこれくらいの英語力でもなんとかなったよという参考になれば幸いです。


This project could not have been realized without the guidance of Michael Meredith and Elizabeth Diller, and also without the inspirations from Jesse Reiser and Sylvia Lavin.

Special thanks to:
Robert Cha (Animation)
Masafumi Oshiro (Physical Model)
John Murphey (Physical Model)
Yu-Cheng Koh (Physical Model)
[PR]

by hirano-eureka | 2012-08-19 14:47 | 修士設計
2012年 05月 26日
After five months of craziness
e0001534_1259579.jpg

e0001534_12583740.jpg
e0001534_12591912.jpg

e0001534_12593471.jpg

e0001534_12594344.jpg

e0001534_12595248.jpg

e0001534_1311645.jpg
e0001534_1313739.jpg
e0001534_1315516.jpg
e0001534_1321385.jpg
e0001534_1323773.jpg
e0001534_1325663.jpg

Details, explanations will come shortly after a break...
[PR]

by hirano-eureka | 2012-05-26 13:04 | 修士設計
2012年 05月 11日
2 weeks to go
e0001534_1142498.jpg
Work, work, work...
e0001534_11431485.jpg

[PR]

by hirano-eureka | 2012-05-11 11:43 | 修士設計
2012年 03月 21日
霧中
e0001534_184124.jpg
迷走中。自分もいつの間にかPrincetonの色に染まってしまったのか、Argumentが無いとFormを作ろうとしても手が止まってしまうようになってしまいました。いや、Princetonに来る前から既にそうだったか、いや、違うか。

Michaelのオフィスへミーティングに行ってきたのですが、アイディアはクリアなのだからとにかく設計しろと言われました。彼曰く、Argumentを立ててからデザインを始めるというPrincetonのスタイルに辟易しているとのこと。

確かにこの場合ArgumentとDesignは分離されてヒエラルキーが形成されてしまっていると指摘できるのでしょうが、Michaelの言っているのは単にヒエラルキーをひっくり返せという事で、二つの分離の解決にはなっていないような気がしています。

となると、一番非効率に見える、七転八倒を繰り返しながらもバネを徐々に圧縮してゆき、ふと何かのきっかけにジャンプするという非線形的なプロセスこそが、ArgumentとDesignの分離を解決する唯一の方法であるのか?

本当に四年前の学部の卒計の時と同じような問題に突き当たっているような気がして、進歩がないなと飽きれそうになっていますが、ううむ。
[PR]

by hirano-eureka | 2012-03-21 18:21 | 修士設計
2012年 03月 04日
Thesis proposal revised
e0001534_15203625.jpg
Proposalを書いたまではよいものの、果たしてどういった方向にプロジェクトを進めてゆくかが見通しが立たないまま悶々としていました。
前回はProposalを原文そのまま転載しただけだったので、自分の考えを整理するためにももう一度日本語で説明を書いておきます(書いているうちに考えがさらにアップデートされてきました)。



- 分節 -


Smart/Dumbというテーマを与えられて最初に着目したのが、テクノロジーと建築それぞれのArticulation(分節)に対する姿勢の違いでした。
e0001534_1595784.jpg
携帯電話がスマートフォンへ発展してゆく過程で、まずアンテナが本体に埋め込まれ、さらにはボタンという基本的な要素までディスプレイに吸収されていった事からも分かるように、テクノロジーはその発展とともに要素のアーティキュレーション(分節)を消失、または再定義してきたと言えるでしょう。それに対して建築は愚直(Dumb)にもスラブ、柱、壁といったワンパターンの分節に固執し、硬直したままです。
e0001534_15105481.jpg
さらにはコルビュジエのドミノのドローイングが壁を描写せずに床を露出させているように(もちろん戦後の仮設住宅として住民が自ら瓦礫を使って壁を作るというコンセプトもあるのですが)、モダニズム以降、分節された要素の中でもスラブがもっとも基本的な要素として位置づけられそれを頂点としたヒエラルキーが固定化されてきたのではないでしょうか。そしてそれは資本主義によってオーバードライブされ、建築の価値は主に延べ床面積によって決定されるようになった訳です。もちろんコールハースの”錯乱のニューヨーク”にもあるように、このスラブを基本とした建築における要素の分節システムは敷地の単純上方拡大というルールを産み出し、それがオーバードライブされたからこそマンハッタニズムが生まれた訳でもあるのですが、もはやこのシステムは建築的に疲弊してしまった事は”錯乱のニューヨーク”の巻末で述べられているのを引き合いに出さずとも中国のバブルや日本における大規模再開発の状況を見れば明かでしょう。しかし資本主義にとってはまだ有効なシステムであるからこそ未だにスラブが単純に任意のn枚積層されたビルが建ち続けている事は否定出来ない筈です。
e0001534_15161764.jpg
ではどのようにして建築のアーティキュレーション、ヒエラルキーを変えてゆけるのか?ここで着目したのがタイムズスクエアです。



- Times Squareにおける水平と垂直の価値反転 -


まずタイムズスクエアについてその歴史を少し解説しておきます。
Times Squareという名前自体は7th Ave.とBroadwayが交わる角地にNY Timesの本社があった事に由来しています。戦前は42th St.を中心としてシアターが立ち並ぶ繁華街として栄えていて、当時からきらびやかなネオンサインで埋め尽くされていました(コルビュジエはTimes Squareを訪れた時の感想を”When cathedrals were white”においてそれを陳腐で安っぽいと批判しながらもその魅力に惹かれています)。戦後はシアターの衰退とともにセックスショップなどが進出し、いかがわしいエリアとして悪名が上がるのですが、1990年代に市が大規模な再開発を計画します。この再開発で中心的な役割を果たしたのがディズニーでした。ディズニーが再開発に関わってくる事で、性風俗関係の店舗は徹底的に締め出され、全てが青少年の為にクリーンなイメージを持ったものへと”Disneyfied”され、タイムズスクエアが持っていた妖しい魅力が無くなってしまった訳です(このあたりの議論はChristine Boyer “X Marks the Spot: Times Square Dead or Alive?”に詳しい。コールハースも”Grand Street 57”に再開発についてのエッセーを書いています)。
とまれ、タイムズスクエアはグローバル資本主義によって完全に征服され、エリア内の建物の外装はコカコーラ、ダンキンドーナッツ、ヒュンダイ、新華社通信と種々の大企業の広告が埋め尽くし、それがタイムズスクエアの最も重要なアイデンティティ(現にここでは広告”規制”の逆で、建物の外皮の一定以上の割合を広告にあてるというルールがあるほど)、そしてグローバルキャピタリズムの一つの象徴となっている訳です。
ここで興味深いのが、タイムズスクエアにおける屋外広告のリース費の高さ。タイムズスクエアにおける屋外広告のリース費用は月あたりのスクエアフィート単価が$70 ~ $130なのですが、マンハッタンにおけるオフィススペースの家賃が月あたりのスクエアフィート単価$54の1.5~3倍近い額なのです。つまり、ここでは床とファサードの価値が反転している訳です。



- 双子 -


ここで興味深いのが、7th Ave.とBroadwayの交わる二つの角地に建つOne Times SquareとTwo Times Squareです。タイムズスクエアで向かい合うようにして建つこの二つのビルはフットプリントもフロア数もほぼ同じ、双子のような存在なのですが、その性格は正反対であると言えるでしょう。
e0001534_15143924.jpg
One Times Squareは元はNY Times本社ビルとして建設されたものの、そのメインオフィス機能は1904年から10年もしない内に他の場所に移り、戦後はビルのオーナーが変わりオリジナルのクラシカルなファサードは引き剥がされ、コンクリートパネルで覆われた簡素なものになり、名前もOne Times Squareに変更され、現在はビルのファサード全面を覆い尽くすように種々の広告が貼付けられています。
e0001534_15174271.jpg
壁面は広告によって埋め尽くされているため当然ながら窓を設ける事が出来ず、テナントは現在地上3フロアのみに店舗が入居していて残り23フロアは全くの空室という状況なのですが、先に述べたようにファサードのリース費の方が高いタイムズスクエアにおいては広告スペースのリースによる収入の方が全フロアにテナントが入居するよりも収入が得られるため、中身が全く詰まっていなくともビルとして成立してしまうのです。
一方のTwo Times Squareはホテルがすべてのフロアを埋めているのですが、このためファサードのごく一部分しか広告スペースとして利用可能でないのです。
e0001534_15182515.jpg
資本主義を究極的に表象しているタイムズスクエアという場において、資本主義によって加速された、スラブを頂点としたヒエラルキーを持った現在の建築のシステムが立ち行かなくなっている事をこの二つの建物のジレンマ(広告で覆ってプログラムをあきらめるか、プログラムを入れて広告をあきらめるか)は顕しているといえます。



- Being an Ultra Captalist -


ここから具体的にどうThesisを進めてゆくかという事に移る訳ですが、先述したタイムズスクエアにおける水平面と垂直面の価値関係の反転という状況に対して、徹底して資本主義的になって設計する、という戦略を取っています。つまり、今の建築が最も価値のあるフロアを如何にして最大に出来るかという事を目標としているならば、フロアよりも広告スペースとしてのファサードの方が価値のあるこの場所で、広告スペースを如何にして最大に出来るかという目標を元に設計を進めてゆけば今までとは全く違った建築のタイポロジーが生まれるのではないか?そしてある意味それが回り回って資本主義批判にならないか?という仮説を立て、設計を進めています。


e0001534_15272240.jpg
で、このあたりが今の状態。
e0001534_15262233.jpg
既存のヴォリュームをsubdivideしてゆくことによって広告スペースを増やしてゆくのですが、広告というのは当然見られる事に意味がある訳で、広告のスペースの増加=パブリックスペースの増加という等式が成立するのですが、ならば建築内部にもstreetを取り込んでゆけないかと考えたり(ある意味卒計で考えていた事に繋がってきたり)、また広告と視点の距離と広告のピクセルのサイズの関係(遠ければピクセルは粗く、近ければ細かく)を詰めてゆくと広告以外の部分の決定に影響しないかなどと、色々ぐちゃぐちゃ考えています。
あと今回は特定のプログラムをまったく決めずに進めています。今まで自分はプログラムを最初に決めてそのプログラムをどうおさめるかという事を軸に設計を進めることしかしてこなかったのでこれに関してはかなり不安なのですが、そもそもプログラムを設定するとフロアをベースに考えるようになってしまうのではないかと考えて、敢えてやっています。

まだまだ先は長い(とはいっても提出まであと3ヶ月もない)ですが、なんとなく今までとは全く違ったアプローチを試しているという感覚があります。Midterm Reviewまではあと一週間半、粘り強くいこうと思います。

何かアドヴァイス等あればお気軽にコメント下さい。

[PR]

by hirano-eureka | 2012-03-04 15:29 | 修士設計
2012年 02月 21日
悶々
e0001534_15374489.jpg
模索中です。未知の方向に進んでいるのは確かなのだけれど、果たしてこの先に何かタンジブルなものはあるのか・・・
[PR]

by hirano-eureka | 2012-02-21 15:39 | 修士設計
2012年 02月 11日
Thesis must go on.
e0001534_7134869.jpg

以前書いたThesis Proposalですが、その後のLizとのミーティングで「Hypothesisがない」「論に飛躍が多くて筋が通ってない」とけちょんけちょんに言われました。しばらく凹んでいたのですが、最初の導入部分から書き直しました。Times Squareのまま続けるか、一旦敷地などの具体的な要素を省くか迷ったのですが、最初の直感を信じてTimes Squareで粘るつもりでいます。
で、またLizとのミーティングがあって、今度は比較的良い反応だったのですが、いざ具体的にどういう方向性で設計をすすめるかという話で、Lizはファサードの面積と延べ床面積を比較したり、Times Squareに限らず様々な場所でケーススタディをして、どちらかというと建築制限の制度を作っていくような感じで行けと、個人的にはあんまり興味の持てない方向に進むように言われてしまいました。
一方で、AdviserであるMichaelからは、単体の建築のデザインに専念しろと、Lizとは正反対の意見が。
始まっていきなり板挟みになってしまいました。さて、どうするか。

The term “Smart” represents multi-functionality and adaptability gained with the aid of technology. As we can see in a phone, in which physical buttons have been merged into a display and it becomes either an output or an input device, technology has dissolved boundaries of various elements. Whereas disciplines other than architecture take advantage of technology to merge elements and make them multi-functional, architecture persists on articulation of each element. Escalator and elevator broke a continuity between different floors, and dry construction method implies that all the components in a building can be disassembled easily.

Since Modernism, architecture has enhanced the articulation, and puts slab as the most fundamental element above others: wall, column, envelope etc, since it is the only element on which people can inhabit. A value of a building is mainly determined by a total floor area in the world of capitalism.

However, this concept becomes obsolete in Times Square where digital signage covers every facade of a building and there is no choice in architectural typology other than decorated shed. Here, the limit of the current paradigm which is persistent in articulation and superiority of floor becomes evident. A value of building envelope exceeds a value of floor. The most extreme example of this is One Times Square. The monthly rate of billboard space in One Times Square is approximately $130 per sqft, whereas the average rate of office space in Manhattan is $54 per sqft, and since it is impossible to have windows on walls where signage covers and also because leasing the entire envelope for billboards gains more revenue than leasing the tenant floors, the tower has tenants on only the first three floors and the rest 22 floors are vacant. This shows the limit of the current paradigm which is persistent in articulation and superiority of floor. The street level of Times Square has chaotic but somewhat energetic atmosphere. There’s always somethings going on somewhere spontaneously, and simultaneously. However, interior space of buildings is completely articulated from the street, thus there’s no interaction between them.

This thesis rethinks this schizophrenia in architecture : articulation between floors and walls, interior and exterior etc, invents the new way of advertisement system which spans over different elements and dissolve their articulations, experiments how a building can actively engage in the urban context and become a catalyst for activating the festive atmosphere of the city.
[PR]

by hirano-eureka | 2012-02-11 07:14 | 修士設計
2012年 01月 14日
Thesis starts
e0001534_13464879.jpg
正月も明けてまたPrincetonに戻ってきました。今まで正月気分でのんびりしていたのが、戻ってきていきなり授業の発表一週間前で現実に引き戻されてあたふたしています。


Thesis Project(修士設計)がスタートしました。本格的に動き始めるのは次のセメスタが始まってからなのですが、Fallセメスタに比べSpringは時間が短い事もあって例年フライング気味で始まるらしいです。
アメリカでは実は卒業にThesisを課す大学は減少方向にあるようで、自分の知っている範囲ではColumbia, Penn, MIT, UIC, Prattなどは既に卒業単位を取得できていればOKという具合になっているそうです。今はThesisやらないで卒業は味気ない!と思っているのですが、そのうちThesisのない大学に行った方が良かったと思えるようになったりして・・・


とまれ、僕も抜けきらない正月気分をなんとかしようとしながらぼちぼち始めました。
PrincetonのThesisのシステムは結構独特で、まず最初に毎年全体のキーワードとして抽象的な単語が与えられ、各自がそのキーワードを基に自身のアイディアを練り、発展させながらプロジェクトを進めていくという形式がとられています。今セメスタは”Useless”で、過去には”Noise”, “Beauty”, “Property”, “Democracy”, “Air”などのキーワードが出されたのですが、これらを見ても分かるように、建築とは直接的には結びつかないようなワードが例年選ばれています。学生がアイディアを練る上での自由度はある意味高いのですが、ともすればとんでもない足枷にもなりかねない、かなり恐ろしい存在です。
で、クリスマス直前に最初の全体ミーティングがあって、そこでThesisの総合ディレクターであるLiz Diller(Diller Scofidio Renfroの)から僕らのセメスタのキーワードが発表されました。

今回のキーワードは”Smart / Dumb”です。

今までは言ってみれば他人事だったので、キーワードを見ても「そっかぁ、面白そうだな」くらいしか感じなかったのですが、いざ自分の事となって、初めてキーワードを聞いたときは頭の中が真っ白になりました。そもそもなぜ今回は二単語なの?どうやって建築に絡めたらよいのかさっぱり分からない・・・
キーワードが発表され、あと簡単な自己紹介をして最初のミーティングは終了。4日後にキーワードに対するレスポンスを書いて提出してね、と。うひゃー、というかぐうの音も出ない。


ところで、Thesisは前述のように総合ディレクターとしてLiz Dillerとアシスタント(所員さん)がいて、彼女が全員の指導や全体の方向性を決めてゆくのですが、そこにさらにAdvisorといって担当教員の存在があります。大体advisor一人につき学生二人の割合でついて彼らもLizと同様に学生の指導に当たり、Lizとは違った視点から批評する事で学生の個性を活かそうという狙いが恐らくあるのでしょう。ともかくかなり特殊な体制が取られています。
Advisorは最初のミーティングで各自希望を提出して、それをもとにLizが独断で決めているそうです。僕は第一希望にJesseを出したのですが、はずれてMOSのMichael Meredithに。スタジオで既に指導を受けた教授にはなるべく当たらないようにするとのことだったのですが、それでもちょっとショックでした。一方で、全く新しい思想に触れるチャンスでもあるなぁと。Michaelは去年まではGSDで教えてて今年からPrincetonに着任したのですが、自分がGSDに行ってたら指導を受けたい教員の一人だったので、巡り巡ってこういう形で指導を受ける事になるとは不思議なものです。これも何かの縁という事なんでしょうか。
ちなみにMichael Meredithの事務所であるMOSはパラメトリックデザインを駆使しつつも独特の雰囲気(野暮ったさと言えばよいのか)を持った不思議な設計をしています。彼らの出世作であるMOMA PS1パビリオンのパラメトリックな形態操作とマンモスの毛皮のようなテクスチャの組み合わせにそれが顕著に表れています。

インタビュー動画を見つけたので貼っておきます。ちょっと変わり者です。
あと、オフィスのページはこちら http://www.mos-office.net/

e0001534_13472130.jpg
で、ついこの間、顔合わせをしにニューヨークに行ってきました。オフィスはハーレムの方にある筈なのですが、なぜか待ち合わせに指定されたのは前のスタジオの担当だったPaul Lewisのオフィス。行ってみるとPaulのオフィスの一角を間借りするような形でMichaelのオフィススペースが・・・どうも恊働でコンペをやっているみたいで、それで事務所を一時的に移転しているのだとか。
とりあえず自分のThesis Proposalやポートフォリオを見せて色々話したのですが、話しててもなんか目の焦点が合ってないような感じだったりと雰囲気がやはり変なのはともかく、彼自身の考え方やセンス自体は自分と合いそうだなと感じました。アーギュメントを組み立てるのに殆どの労力を費やして最終的なデザインがおろそかになってしまいがちなPrincetonのThesisの傾向に対する疑問も共有出来、どういった方向でThesisが進んでゆくかが掴めたので一安心です。


最後に今の段階でのProposalを載っけておきます。正直書いていて自分でも訳が分からなかったりしますが、これから実際に手を動かし始めたら徐々に考えもまとまってくる筈・・・
とにかく、Times Squareで何かやらかしたい、とりあえず今のところそれだけです。

Smart-grid, Smart-phone, Smart-Air conditioner, Smart-Car...etc. Today, Everything seems to be "smartified". As we can see in a phone, which got rid of physical buttons and became a pure abstract plate in past five years, technology has dematerialized, evolved itself in fast pace, whereas architecture has been fundamentally dumb and slow. There is a critical disjunction between technology and architecture.

Times square is the place where this disjunction is excessively deployed in urban scale. Digital signage covers every facade, and separated from the building envelopes so that it can be easily replaced. Here, there is no choice in architectural typology other than decorated shed. Dominating decorated shed in Times Square causes another disjunction between interior and outside space. Because signage panel covers entire envelope of each building except street level, most buildings in the area don’t have any windows on upper floors, thus the interior space is completely disconnected from the street, and many floors don’t have tenants. One Times Square, the highest building in the area, has tenants on only the first three floors and the rest floors are vacant.

This situation in Times Square is occurred because of signage putting emphasis solely on its visuality, which causes dematerialization. However, current research on human interface, led mainly by MIT Media Lab, has been turning its focus on humans haptic or osmatic sense, and it may possible to find an alternative of decorated shed by taking advantage of these latest development in technology. Thus, this thesis will reimagine Times Square through reestablishing a relationship between technology and architecture.
[PR]

by hirano-eureka | 2012-01-14 21:55 | 修士設計