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2011年 03月 19日
写真
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最近raw imageの加工に慣れてきたからか、自分がシャッターを切ったときにそこにあった空気感が最終的な画像にも反映できる確率が上がってきました。

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by hirano-eureka | 2011-03-19 08:45 | 最近の行動
2011年 03月 16日
メタボリズム再考について
こちらに来て意外に思った事の一つにメタボリズムの知名度の高さがある。
前期のHani Rashidスタジオでは、参考資料として東京計画1960を筆頭に、黒川紀章のヘリックスシティなどメタボリズムの一連の計画がアーキグラムと並んで取り上げられ、今回のJesse Reiserスタジオではリサーチ対象としてのみならず、Irreducible Unit(中銀カプセルタワーで言うところのカプセルにあたる、都市、建築を構成してゆくうえでの最小モジュール)の設計がAssignmentとなっていて、またこっちでは皆タンゲ=モダニズムではなくてむしろメタボリストとして認識しているほど、メタボリズムは都市、建築を考える上で避けられない一つの大きなムーブメントの一つとして認知されている。さらに今年はレムがメタボリズムについてのリサーチをまとめた本が出版される予定だし(すでに完成してOMANYオフィスにも何冊か転がってるらしい)、日本でも夏に六本木ヒルズでメタボリズムの回顧展の開催が予定されるなど、メタボリズム再考の動きが俄かに活発化してきている。

個人的には日本にいた頃はあまりメタボリズムに興味はなかったし、こっちでメタボリズムが取り上げられるのも、どちらかと言えばエキゾチズムに根差しているのではないかと最初は思っていたのだが、今期のスタジオで遂にしっかりと向き合わないといけなくなってしまって、色々と「今なぜメタボリズムなのか」を考え、自分なりにまとめてみる事にした。


非常に乱暴な解釈かもしれないが、メタボリズムは個の空間から全体構成への発展の手法と定義できるだろう。ここで念頭にあるのは中銀カプセルタワー、ヘリックスシティ、海上都市などで、いずれもカプセルユニット(個の空間)がコアにプラグインされることで都市が形成されるというアイディアという具合に一般化できる。結局これは中銀カプセルタワー、静岡新聞社(?)、挙句の果てには心斎橋ソニービルのトイレ位しか実現せず、万博という打ち上げ花火が散るとともに脆くも忘れ去られてしまった。

ここからポストモダニズムが狂い咲きし、デコンが一瞬だけ流行り、と色々あるのは飛ばして、90年代の終わりくらいから今に至るまで続いているのが、せんだいメディアテーク、横浜大桟橋を筆頭とした「ネオ」ユニバーサルスペースと呼べる空間の台頭といえる。これはAymptoteのモノグラフのタイトルにもなっている「Flux」(流動性)のあるフラットな、インターネットの発達・普及に影響されてサイバースペースのアナロジーとして生まれた空間で、建築内の様々な機能が別け隔てることなく相対的な関係で共存しているような状態を目指している。ここでは一つの場(全体)が設定され、そこにムラを生じさせることで個の空間が形成される。メディアテークの場合は一枚のスラブが全体を定義し、そこに不定形なチューブがアトラクターとして挿入され、それによって家具の配置にムラが生じ、個の空間が形成されている。

しかしここで問題になるのが、個の空間の弱さである。場のムラによってなんとなくの個の領域を設定できるといっても結局それは全体に従属する形で成立しているため、「強い」個を担保できないのだ。メディアテークではシアター部分の処理にこの問題が露呈している。シアターという音響、照明の点で密閉される必要のある「強い」個の空間は、一枚のスラブに生じるムラによって成立させることが不可能なため、結局カベ(これは当然家具と呼べる要素ではない)を建てて閉鎖空間を作ることで解決を図っている。

たしかにこの流動的な空間の手法は、パブリックな空間を作るという点では優れている。しかし、一方でアナロジーの対象としてあったインターネットは個人が匿名で個を剥奪された存在として参加する場(2ちゃんねる)から、実名でそれぞれが個を主張する場(mixi, facebook, twitter)へと変わり、そういった「多様な強い個」を担保できないこの空間手法ではそもそものアナロジーすら成立しなくなりつつある。

そこで、メタボリズムの再登場である。先にも述べたように個から全体へと発展させるメタボリズムは、そういった「多様な強い個」を担保できる新たな手法を考える上で非常に有用であるのではないかというわけだ。つまりメタボリズムの個-全体、現在の全体-個の一方向の設計から、個と全体を絶え間なく行き来するような手法へのシフトである。
ここで注意しなければならないのは、決して「再興」ではなくて、「再考」であること。メタボリズム自体は確かに個から全体へのベクトルを持った手法ではあるが、個は単一のユニットに還元されていて、「多様な強い個」を担保できるものではないし、また個から発展させてゆくといっても結局のところその個は全体にプラグインされるという点でヒエラルキーが生じている点も指摘できるだろう。そのようなメタボリズムが解決できなかった問題を乗り越えたとき、多様性(多数のパラメーター)を内包しつつも自律性を持った(autonomusな)システムが構築できるのではないだろうか。
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by hirano-eureka | 2011-03-16 13:36 | 建築チクチク
2011年 03月 04日
2011 Spring Studio Report 02
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今の段階で考えていること。あまりちゃんとリサーチをしてるわけではないので多分、色々おかしい所はあると思いますがご愛嬌。誰か英語校正してください。


かつて中央卸売市場は都市における生鮮食料品の流通拠点として、都市の胃袋に入るすべての食材を一手に担い、そこには国内各地からのモノ、ヒト、カネが行き交う空間が展開し、都市のエネルギーを表象する場として機能していた。しかし90年代以降、情報技術の発展による産地直送などの市場外流通の増加や、量販店の台頭による市場の価格形成機能の低下により衰退を余儀なくされている現状にある。

Central wholesale market in Japan used be a symbol of the vitality of the city. It was a place where fresh foods, people, and money from all over the country were concentrated, and delivered to the stomach of the city. However, it has been in decline since '90s due to the increase in volume of the online trade in which goods don't need to go through the market, and also due to its weakening price formative function caused by the rise of mass retailers in Japanese market.

現在、世界的な魚介類の消費量の増加やそれに対する漁獲量の減少、さらには燃料価格の上昇により、魚介類の価格は高騰している。それに加え、輸送技術の進歩、空輸コストの低下などにより穀物や大豆などでのみ起こっていた国際的な資源獲得競争が生鮮食料品についても同様に起こりうる状況となっている。現に現在日本に流通するマグロの多くは空輸で輸入され、また過去数年の築地市場におけるマグロの最高落札者は中国系のレストランとなっている。

Today, the price of fish in the world has been rising sharply because of the increase of fish consumption throughout the world, and the declining catches by contrast. There's likely to be a global competiton for fresh foods as the technique and the costs of transportation develop, just as there is a harsh competition for grains and soybeans.
In fact, the ratio of tuna fish shipped by air is getting higher in imported tuna fish in Japanese market, and the annual highest bidders for tuna fish in Tukiji Market in past few years are all Chinese.

現在、東京都は築地市場の豊洲への移転をほぼ決定している。しかし外国人観光客を惹きつける強力な観光スポットとしての築地市場の役割や、世界の中心としての市場になりうる要素を新市場は持ち合わせているのだろうか?

The Tokyo Metropolitan Government is currently planning to relocate Tsukiji Market to Toyosu area. However, would the new market be a strong tourist attractin like the current market is? Does it have a potential to play a role as the center of the global economy?

ここでは築地市場と神奈川県川崎中央卸売市場機能を統合し、第四滑走路、国際ターミナルの増設によりアジアのハブ空港としての地位を狙う羽田空港と直結した都市としての市場を計画する。
ローカルな存在としての卸売市場は、世界からモノ、ヒト、カネが入り乱れる大都市における「市場都市」として再び躍動を始める。

In this project, the functions of Tsukiji Market and Kawasaki central wholesale market will be merged, and connected directly to Haneda International Airport. The market will regain its vibrancy as a center city of the global economy.

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by hirano-eureka | 2011-03-04 13:03 | 建築チクチク
2011年 03月 01日
2011 Spring Studio Report 01
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ご無沙汰しています。Studio Reportはファイナルレビュー分を残して次のスタジオが始まってしまい完全に更新の機を失ってしまいました。今は現在進行中のスタジオで頭の中がパンク状態なので、セメスターが終わって落ち着いてからまとめて書ければと思います。なんだか尻切れ状態で申し訳ないです…

さて、2月の頭から新しいセメスターが始まったのですが、スタジオはJesse Reiser担当のものを取っています。Jesse Studioは超人気で8人が定員のところに15人も希望したそうですが、何とか無事選ばれました(皆日本に行けるというのが魅力とのこと。まだまだ日本はCoolな、憧れの国のようです)。彼のスタジオはJapan Studioといって2006年まではSANAAが担当していたものを彼が引き継いでいるのですが、メタボリズムの再考を一つの大きなテーマとして、毎年東京を敷地としてプロジェクトを行っています。

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昨年は東京湾のアクアライン海上を敷地として東京計画1960の再考を軸に進められていました。今年は羽田空港の多摩川を隔てた対岸を敷地に、マイクロシティの設計が課題になっています。あと特筆すべき事として、合同スタジオ形式でコロンビア大、東大をはじめ、Pratt Institute、大阪産業大、中国の精華大も同一テーマでスタジオを進めていることがあります。レビューでは全大学のスタジオが一同に会し、さながら天下一武道会の様相を呈する訳です。コロンビアは梅本奈々子が、東大側は最近AAのDRLから東大に移籍してきた小渕祐介が担当しているとのこと(ちなみに彼は数少ないプリンストン建築出身の日本人の一人)。

今回のスタジオの一つのテーマとして都市全体を巨大なカプセルの中に封入するバックミンスターフラーの計画を仮想敵に、外部と内部が曖昧な状態でありながらもAutonomus(自律的)な都市システムの構想が挙げられているのですが、3つのAssignmentがその足がかりとして与えられています。

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一つはKnotting systemの発展。これは結び目理論のダイヤグラムなどをリファレンスとして、紐を結ぶことによって生まれる結び目の中の紐同士の関係性に着目して空間構成のシステムに発展させてゆくというもの。
次に過去のユートピアのリサーチ。これには前回のHani Studioでも取り上げられていたArchigramのWalking City, Living pod, 菊竹清訓のスカイハウスに加えシャルルフーリエのファランステール、果てはディズニーランドがリストに挙げられていて、その中から各自一つを選んで、それぞれのユートピアがどういったヴィジョンを持っているのか、そしてそれを成立させるためにどのような手法を用いているのかを読み解く事が要求されています。僕は一番ゲテモノのディズニーランドを選択しました。
最後にIrreducible unitの設計。これは例えばメタボリズムのカプセルのような、都市における最小単位とはどのようにあるべきかを具体的に詳細まで詰めて設計するというもの。

これら3つのAssignmentを同時並行で進め、最終的にはすべてを統合して都市の構想に結び付けてゆくというのが今回の一つの大きな流れです。

前回のスタジオは一つ一つステップを踏みながら全体像から徐々に細部に詰めてゆくというプロセスでしたが、今回は上を見ても分かるようにいきなりすべてのスケールに手をつけて、それぞれの間を行ったりきたりしながら詰めてゆく真逆の形式で、そのあたりJesseの思想が反映されていて興味深いです。アトラスを読んでも分かるように、彼はトップダウンで一方通行の設計プロセスに真っ向から反対していて、つまりダイアグラムからそのまま建築が立ち上がってゆくようなものはありえないと。様々な地点を行ったりきたりしながら、また様々な思想(パラメータ)を積極的に取り込んでいくことでこそ、包容力のある豊かな建築が可能ではないのかというのが彼の主張(だと僕は勝手に解釈しています)。
京大では高松先生にSimplicityを叩き込まれた自分としては全く異質な思想の元、設計を進めているわけですが、Simplicityを学んだからこそ産み出せる何かがあると信じて、今夜もせっせとスタディ模型を作っています。



あ、そういえば3月12日~18日にスタジオで東京、京都へ行きます。3月14日に東大でMid Reviewをします。あと各大学の指導教授が一同に会する機会に合わせてシンポジウムも開催されるそうです。

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by hirano-eureka | 2011-03-01 16:22 | 建築チクチク