2010年 01月 08日
「エクセター図書館:自己相似」 ここではカーンの云うところの”Room”が建築外周部に配された、学生一人一人のための読書空間を最小単位として建築中心部に向かって自己相似により、学生数人の集まるラウンジ、そして中央部の巨大な吹抜け空間へと連なってゆく。 自己相似-フラクタル-によって形成された物体は相矛盾する二つの特性をその内に含むことができる。フラクタル立体の一つであるメンガースポンジは形として認識はできるが体積は零である。プランを見るとここでは完結された要素というものがおおよそ無い事に気づく。読書空間が自己相似によって集積された概形は存在するが完結した形状ではなく、それを強調するように外形、コア、さらに中央ヴォイドまでもその正方形のコーナーは切り落とされている。これによって集積された概形は認識できるが、それは完結した形状ではなく、それを強調するように外形、コア、さらに中央ヴォイドまでもその正方形のコーナーは切り落とされている。ここでは閉鎖と開放の二つの特性を獲得している。 カーンはこの建築においてこの両義性を獲得し、誤解を恐れずに言うのならば「建築の無限」を目指したのである。
by hirano-eureka
| 2010-01-08 02:30
| 建築チクチク
|
About
カレンダー
PROFILE
平野 利樹
とうとう学生卒業、と思いきや。 2004 - 2009 京都大学建築学科高松伸研究室 2010 - 2012 Princeton University SOA Master of Architecture 2012 - 2013 Reiser + Umemoto 2013 - 東京大学建築学専攻隈研吾研究室 博士課程 Web : toshiki-hirano.com Portfolio : issuu Mail : info@toshiki-hirano.com カテゴリ
以前の記事
2014年 06月 2014年 02月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 03月 2013年 02月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 08月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2001年 04月 検索
ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
|
ファン申請 |
||