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2006年 07月 16日
劇場。
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さて、今回の最終成果品を。
今回の課題は三条通に「コミュニティシアター」を設計せよ、というものでした。
敷地は京都に住んでいる人は分かると思いますが、河合塾の目の前のマクドとampmと駐車場が現在ある場所で、斜め向かいには明治近代建築の京都文化博物館とファサード保存で有名な中京郵便局が建っています。

三条通は道幅が6mと狭く、歩道がない(これには賛否両論あるそう)、しかもタクシーや運搬トラック等の車の交通量が多いので、歩行者は常に車の存在を意識し、車が後ろにいるのではないかといった強迫観念に囚われてしまうわけです。

で、まず、敷地を緑化して広場にし、少しでも人々が足を休める事が出来る場所、向かいに位置する河合塾の生徒が息抜きできる場所を作ることにしました。

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そして、そこにあらゆる芸術、情報、栄養が詰まった”モノリス”(奥の黒いハコです)を広場に挿入し、そこからシアター(赤いハコ)、メディアライブラリー(黄色の庇)、テイクアウトカフェ赤のグリッド壁のハコ)、ライブラリー(同上)、デッキ、噴水(青色の庇)、酸素発生装置(緑色の庇)、が広場に向かって飛び出し、展開されます。
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それらの機能は広場という共通の場所に展開されることによってお互いに重なり合い干渉しあいます。
例えばメディアライブラリーで日向ぼっこしながら、お弁当を食べながら、オペラを聴いていると目の前の噴水で遊ぶ子供が見える、あるいは大道芸が遠くに見える、ファッションショーをデッキ上でしているのが見えるわけです。
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このように普段は分離されているアクティビティが重なりあうことで、別々の行動をしている人が互いに刺激し合える場をつくり、また劇場をもっと人々が日常的に立ち寄れる、身近なものにするというのが今回のテーマでした。

ざっとこんな具合なんですが、正直申し上げて今回の作品はそこまで好きではありません。
コンセプトも二転三転してこのプランが出来上がったのが提出5日前、つまりほとんどコンセプトが練られていないのです。敷地との関係性、なぜその場所にこのような劇場まがいのものを作るのかという理由、形の根拠などがほとんどと言っていいほど欠けています。
そういったところを隠すためにプレゼンを頑張って、パースを大きく出力し、はったりを掛けたわけです。
ある程度の評価は得ることができたのもそういったハッタリ、あとホールのエントランス階段がウィンチで巻き上げられるとか、模様、色彩の遊びが受けたからで、もっと本質的な部分(かなりあいまいな表現ですが)に対する評価ではなかったのではないと考えています。
結局ある意味見た目も、その本質もポストモダンの出来損ないになってしまったわけです。

まぁとにかく、小手先のテクニックからは脱却するためにも、今年の夏休みは色々と旅行したり、本を読んだり、コンペを考えたりしようと思います。

あと関係ない話ですが、色々あってT山研だけは行きたくないと思いました。

by hirano-eureka | 2006-07-16 01:42 | 建築チクチク


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