1 2011年 10月 31日
![]() 去年はレポートがでたので、どこにも行かず、スタジオに缶詰にされたのですが、今年は特に何もなかったので旅行に行こうと決め、直前に予約して、レビュー翌日出発、パリに来ました。 全く事前準備なしで来たので、とにかく歩くしかないです。ないしはVelibで。 ▲
by hirano-eureka
| 2011-10-31 16:10
| 最近の行動
2011年 10月 09日
![]() 新年度が始まり、ばたばたしていました。二年目とあって、なにもかも初めてでおっかなびっくりしていた去年と比べれば勝手が分かりだいぶ成長したのかもしれないですが、やはりセメスタの最初は肉体的にも精神的にも堪えます。ようやくゆとりが出来て落ち着いてきたところです。 去年の終わりくらいから新しい設計担当教員の募集が始まって、5人くらいに絞られた候補者が前セメスタにレクチャをしていたのですが、最終的にMOSのMichael Meredithに決まり、今期から3年コースの一年生のスタジオを担当しています。MOSはアメリカの若手建築家の中では最近注目度が高いユニットで、設計自体は非常にパラメトリックなのですが最終的に出来上がったものは妙なアナログ感が混ざっていて、パラメトリック=グニョグニョハイテックの図式から逸脱できている数少ないうちの一人だと思います。MOMA PS1のパビリオンはその特徴がよく現れていますね。 新しく入ってくる人がいれば、去る人もいて、DeanのStan Allenが今年度いっぱいで退任することが公式にアナウンスされました。目下選定委員会が次期Deanを探しているとのことですが、学生の間ではSylvia Lavinだとか、Greg Lynnだとか色々噂が飛び交っています。僕自身は今年度で卒業なので誰になっても特に影響はないのですが、アメリカではDeanの権限が非常に強く誰になるかで大学の色ががらっと変わるので、今後Princetonがどのような方向に舵をきるのかという点で非常に興味を持っています。 ブログに関してはかなり放置してしまっていますが、現在Hani Rashid Studio Reportの最終回を鋭意準備中です。早いものでもうHaniスタジオから一年がたってしまい、それにも関わらずまだレポートが完結していないのはさすがにまずいので、急いでがんばります。Jesse Reiserスタジオに関しては展覧会やコンペに出す事になったので、そのあたりが落ち着いてから詳細は書いてゆこうと思います。 今回のスタジオに関してはまた別の機会に書くとして、今期は少しですが英語力が上がったのもあって背伸びして理論系の講義をメインに取っています。一つはSpyros Papapetrosの"Histories and Theories of Architecture - 20th Century"、もう一つはAlejandro Zaera-poloの"Politics of Envelope"。 前者はタイトルが"History"ではなくて"Histories"となっていることからも分かるように、事実を淡々と並べる普通の20世紀の建築史の講義という訳でなく、ギーディオン、ゼンパー、バンハムなどの評論家がどのように20世紀の建築を理論として組み立てていったのかをそれぞれにスポットライトを当てて検証し、そこから20世紀の建築を再考察してゆこうというもの。各回は"Space", "Revival", "Ornament"…とキーワードが割り当てられていて、例えば初回の"Space"では、ギーディオンが先史時代の洞窟、エジプトの研究からどのようにして「空間」の定義を構築またはねつ造していったかを彼のスケッチやスクラップなどから読み解き、講義の最後は「では今は第三の空間の時代なのか?第四の空間はあるのか?」という問いで締められていました。"Revival"の回ではアールヌーボーが多くの歴史家に無視されている理由、モダニズム以前にも、モダニズム自体にも組み込めないその位置づけの困難さの原因を探りました。 アレハンドロの"Politics of Envelope"は建築の外皮(Envelope)についてのリサーチセミナーで、「政治媒体としての建築の力はもはや衰退し、あらあゆる境界を消失させようとしていたグローバリズムは幻想であることが判明した現代社会において、建築に残された最後のフィールドがEnvelopeだという主張のもと、さまざまな建築のEnvelopeを分析し、argumentを組み立てる」というもの。プリンストンで過去3年にわたってスタジオとセミナーでリサーチを行ってきて来年その結果を出版するらしく、今期もその出版物に掲載することを念頭にリサーチをすることが要求されています。 ついこの間最初のミーティングがあったのですが、今期の受講者は僕含めたったの4人。それで3時間くらいぶっ通しでディスカッションだったので、当然黙っている訳にもいかず、必死に議論に参加しようとしたのですが、議論の流れを止めるような事ばかり言ってしまい結構へこんでいます。最近なぜプラトン立体(キューブやピラミッド、球体まで)の外形の建築が増えてきているのかや、伊東豊雄のミキモトやTOD'S、H&Dのプラダはヴェンチューリのダックでも装飾された小屋でもなければなんと定義できるのかについての議論で、僕自身は議論に貢献できたかはともかく、普段意識していない事の重要さを再発見できて非常に刺激になりました。なんとか議論にがっつり参戦できるようにしないと・・・ そういえば建築ジャーナルという雑誌に、来月から二回にわたって留学生活のレポートを書く事になりました。ブログと違って結構タイトな字数制限があるので書いては削りの繰り返しで四苦八苦しましたが、そのぶん話の筋がうまく通った感じになったかなと勝手に思っています。近いうちに発売されるのでよろしければ。 ▲
by hirano-eureka
| 2011-10-09 15:10
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平野 利樹
とうとう学生卒業、と思いきや。 2004 - 2009 京都大学建築学科高松伸研究室 2010 - 2012 Princeton University SOA Master of Architecture 2012 - 2013 Reiser + Umemoto 2013 - 東京大学建築学専攻隈研吾研究室 博士課程 Web : toshiki-hirano.com Portfolio : issuu Mail : info@toshiki-hirano.com カテゴリ
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